2025年春アニメの中でも、前作からのファンが注目していた『阿波連さんははかれない Season2』。本作は、相変わらず絶妙なテンポと空気感で、“静かな笑い”と“ゆるやかな愛しさ”を届けてくれます。
■ 作品概要とあらすじ(簡単に)
極度に距離感が掴めない女子高生・阿波連れいなと、そんな彼女を見守る男子・ライドウくん。日常のちょっとしたやり取りを通じて、少しずつ近づいていく2人の関係は、ほのぼのとしていながらもどこか愛おしい。Season2では、その関係がさらに進展し、「静かだけど確かに進んでいる恋愛模様」が描かれます。

■ レビュー:Season2の進化ポイント
◆ 日常のシュールギャグがさらにキレる
前作からの魅力でもあった“間”と“ズレ”を活かしたシュールな笑いは、Season2でも健在。それどころか、演出やライドウの妄想シーンはより大胆に、テンポも心地よく進化しています。
特にライドウの過剰な空想が暴走する場面は、突飛なのに不思議と自然で笑えてしまう。それに対して阿波連さんの反応がまた静かすぎて、そのギャップがクセになります。
◆ 関係性の“成長”が丁寧に描かれている
Season2では明確に「2人の関係が進んでいる」ことが描かれており、視聴者としても自然とその変化に気づける構成になっています。
例えば、阿波連さんの感情表現がわずかに豊かになっていたり、ライドウが彼女の反応に対して以前より繊細に気を配るようになっていたり。恋愛ものとしては非常にスローペースですが、“そのゆっくりさ”こそがこの作品の醍醐味です。
◆ サブキャラもいい味を出している
Season2から登場する新キャラたちが、2人の関係に対して干渉しすぎず、でもいいアクセントになっているのが印象的。全体のバランスが壊れることなく、やや閉じた2人の世界を優しく広げる存在として機能しています。
■ 演出・音楽・作画について
演出はSeason1と同じく、空気を“間”で魅せる構成が中心。ギャグと恋愛要素の緩急がうまく、観ていてストレスがまったくない。BGMもシンプルで邪魔にならず、阿波連さんワールドにぴったりなチル感があります。
作画についても安定しており、特に表情の細やかな変化やちょっとした動きの演出にはこだわりを感じました。阿波連さんが見せる“ほのかに照れた顔”なんて、もう…尊い以外の言葉が見つかりません。
■ 総評
『阿波連さんははかれない Season2』は、前作ファンの期待を裏切らない出来でした。強烈な展開や派手な演出はないものの、日常の中のさりげないやり取りや心の動きに丁寧にフォーカスしており、観るたびに心が和らぐ一作です。
恋愛アニメというよりは、“距離感アニメ”とも言うべきジャンルかもしれません。人と人との関係って、こういう“よくわからないけど、なぜか落ち着く距離”にこそ真実があるのかも。そう思わせてくれる、優しい作品です。
■ 評価(5段階)
項目 | 評価 |
---|---|
ストーリーの魅力 | ★★★★☆ |
キャラクターの個性 | ★★★★★ |
ギャグ・テンポ感 | ★★★★☆ |
作画・演出 | ★★★★☆ |
総合満足度 | ★★★★★ |
■ 最後に
阿波連さん、やっぱり“はかれない”ままなのに、なぜこんなにも魅力的なんだろう。そんな風に思える人は、もうこの作品の虜です。まだ観ていない方は、ぜひSeason1から通して観てください
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